2021年 四季報 新春号 総括

2021年 四季報 新春号 総括

年の瀬も迫る今日この頃四季報新春号が届いた。twitterでも書いていたが、最近は自分の投資判断のテクニカル比率を高めているため、ファンダメンタルの位置づけが以前より低下している。投資会社のスクリーニング機能でも四季報がよめる時代に紙の四季報を手に取る理由は相場観を自分なりにつかむことだろう。ネットでは四季報のプロが多数散見される。自分はそこまでの精度もないが、業績好調な企業を眺めてコロナ環境でも生き残ろうとする企業の底力を感じられた気がした。また今回の四季報ではコロナの影響を含んでやや悲観的な業績を発表する企業が多かったようだが、四季報の予想を眺めていると会社の悲観的な予想よりも実際の業績は好調であると踏んでいるらしく会社の業績予想と実際の業績のアップギャップの可能性が高い模様だ。

前号までと同様にリモート関連の企業は絶好調だった。コロナの正の側面として企業がリモートの有用性に気づき始めたことだろう。フレキシブルな企業は本社を縮小したり移転して固定費を削減することに成功しはじめ利益率の増加に寄与している。

前号からの変化として個人的興味を引いたのは内食への関心が高まっていることだった。前号でも余暇時間の過ごし方の一環としてお菓子作りや料理等への関心、DIY需要の高まりによってホームセンター関連の銘柄が上昇していたが、これらの動きに加えて内食業界が好調のようだ。KFC等のテイクアウト系の中食は出前館やウーバーイーツ等のフードデリバリー戦争によって盛り上がっているがこれとは別にトレンドが発生している。

リストラ、倒産等の暗いニュースの一方で人材派遣関連銘柄も好調のようだ。人口減少の中高度なスキルや経験をもつベテランがより重視され、人材派遣以外にも技術継承という形で若手にスキルを教え込もうと躍起になっている企業も見受けられた。リモートワークによって作業量が可視化され、人格面や勤務態度などの定性的な評価の比率が低下し、より定量的に仕事力が計測されるようになった。この流れは加速するとみられ、より人材の質と淘汰が進むことは容易に想定できる。またサイゼリアでは人材不足の解消として非正規人材を正規採用し、フレキシブルな人材運用を目指しているらしくこれには目からうろこだった。

今年は災害も目立ったが、災害復興関連銘柄、コロナ関連によって高まっている衛生関連銘柄も好調のようだ。一方で製造系銘柄は物流や労働力管理などによりまだ停滞している印象を受けた。

会社も生き残りを賭けて、医療用品の製造に乗り出している企業も見受けられた。縫製技術を持っている会社が医療用ガウンの製造に乗り出すなど、社会ニーズと自社の強みを生かしたいい企業活動方針だと思った。

日本経済を救ったとされる鬼滅の刃効果も散見された。ある投資系のニュースを読んでいたらある投資家の子供が鬼滅にはまっており、これは映画がヒットすることは間違いないと踏んで短期投資で東宝の株を買ったところ値上がりしてもうけを出すことができたという話が載っていた。関連グッズもあわせて好調の模様だ。最近のアニメとトレンドに疎く、鬼滅もまだ目を通していない自分としては世間との乖離を感じるところである。著名投資家のピーターリンチ流の身近なトピックスを拾い上げろという教科書のようなカタリストを見せられた気がする。

個人的な興味を持っているSBIと地方銀行の協業の推移であるが、島根銀行が協業を開始してから業績が好調に改善した模様である。すでに新たなメガバンクとなりそうなSBIグループであるが、金融業界のビックトレンドとして地方銀行の再編は続くだろう。

この記事を書いているときもイギリスで感染力が高まった変異型ウィルスの話題で持ちきりだが、やはり外食業界はまだ厳しいと言わざるを得ないだろう。やや客足がもどりつつあると消費者目線では感じるが、如何に内食・中食に食い込んでいくかが引き続きの課題だろう。一方で体験価値としての食事という意味で外食へのニーズもまた感じる。こちらはお店側の課題と言うよりも公衆衛生的にコロナが抑制され、消費者心理が回復してからが勝負であると言える。つまるところ持久戦と言えるわけでなかなか飲食関連は厳しい戦いを強いられていると感じた。

箇条的に記したが、上記が新春号の感想である。環境に必死に適応しようとする企業、耐え忍ぶ企業などいろいろな側面が四季報を眺めることで伝わってきた。これらの背景知識を元に自分も投資判断に生かしていきたいと感じた。

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