巷で話題の小児急性肝炎について考えてみた

巷で話題の小児急性肝炎について考えてみた

最近ニュースを見ているとちらほら原因不明の小児急性肝炎の話題を目にすることが多くなった。そこで今出ている情報を整理するためにこの記事を書いてみようと思い立った。

始まりはWHOが2022/4/22にヨーロッパ11カ国とアメリカで生後1ヶ月-16歳までの169人ほどの子供が原因不明の急性肝炎を発症して一人が亡くなったことを報告した。連れだって厚生労働省、国立感染症研究所、日本小児肝臓研究会が相次いで症例報告と声明を発表した。

症例内容を見てみると、肝機能を見るAST、ALTが基準値となる500IU/Lより上昇しており、A型-E型の肝炎ウィルスの関与が否定されているケースのようだ。ほとんどの症例において黄疸の発現の前に、嘔吐、下痢、吐き気などの消化器系の症状を訴えるケースが多いらしい。そのうち何人かは急性肝不全に移行し、肝移植を必要としたり、アメリカにおいては死亡したケースが確認されているもののほとんどの患者は回復しているそうだ。

原因としてサイトメガロウィルス、SARS-CoV-2、EBウィルス、アデノウィルスなどの因果関係が考えられているそうだが、未だ明確になっていないところが正直なところのようだ。英国の調査によると急性肝炎と判断された症例のうち72%ほどがアデノウィルスとの関連性が示唆された、という話もある。

発症機序として、アデノウィルスを筆頭にウィルスそのものが肝臓に炎症を引き起こしているという説アデノウィルス感染により正常な免疫機構が作動し、免疫機構そのものが肝臓に炎症を引き起こしている説が考えられているそうだ。

社会情勢的なイベントと絡めると思いつくのがコロナウィルス、ワクチン、衛生環境などが考えられる。今のところ直接的なコロナウィルスとの因果関係は分からないこと、ワクチンを接種していない小児のケースが多いことが調査によって分かっている。すると消去法で衛生環境が考えられる。日本国内でも今年のインフルエンザウィルス流行が全く無かったことからも考えられるとおり小児を取り巻く環境はすざましく衛生管理が行き通っているのが現状だと思われる。自分が小さい頃は外出してもマスクはしない、手は洗わない、うがいもしないというまさに不衛生の塊のような状況だったが、小学校を初め教室という密集空間による集団感染、空気感染は避けられないものの、マスク、手洗いうがいの効果によってインフルエンザを筆頭に小児患者数が激減し小児科医の収入が激減しているという話も聞く。

関連して思い起こされるのはやはり突発性発疹だろう。突発性発疹とは乳児期に罹患することが多く、突然の高熱と解熱前後の発疹を特徴とするウィルス感染症で予後は一般的に良好である。自分も小さい頃なったと両親に聞かされたが、おそらく病院にかかるかからないは別として多くの方は罹患したことがある疾患だと思われる。原因としてはHHV-6、ヒトヘルペスウィルス6型の感染が原因となる。なにかの本で読んだが、人間の小児期にはある程度のウィルスや細菌に対応できるようにある程度の免疫パターンを持って生まれてくるが、徐々にその免疫パターンを減らすことによって大人の免疫パターンに切り替わる。その切り替わりのタイミングで突発性発疹が起こりやすいと書いてあった。(嘘だったらごめんなさい)この理屈で考えると無菌室状態で小児が育てられると体が環境における適応化をする際に免疫パターンを持たずに大人の免疫システムに切り替わることになってしまい大人になってから環境に適応することができない、と考えられる。だから子育てをするときは汚すぎるとハウスダストや小児喘息を引き起こすためある程度の綺麗な環境を整えてあげることは大事だが、そう神経質になりすぎない方が長期的に見て丈夫な子供に育ちやすいと考えられる。

情報収集していても今回の小児急性肝炎においては衛生環境が向上したことによるなんらかしらの免疫系統の障害が起きている可能性が高い、と考えるのが現時点での結論と言えそうだ。現時点では過度に心配する必要はなさそうだが、もし元気が無かったり疑わしいケースの場合は医療機関を受診させてあげることが大事だと考えられる。

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