ルーザーズ 失敗が教えてくれること

ルーザーズ 失敗が教えてくれること

Netflixオリジナル作品である今作、何気なくマイリストに入れていた。勝者にスポットが当たりやすい今の世の中でルーザーズ、すなわち社会的敗者とされている人に同スポットライトを当てていくか気になったからだ。(以下ネタバレを含みます。)

第一話目「ミスキャストの王者」

今回の主人公はマイケル・ベントというボクサーの方だ。父親がマイク・タイソンの猛烈なファンであり、子供であったベントにボクシングを始めさせる。自分の子供を第二のマイク・タイソンとすべく。

ボクシングをTVで観戦し始めたころからボクシングは怖いスポーツだと感じていたが、父親の圧力に負け、8か月ほどボクシングを続ける。続けた先で尚、自分にボクシングは向いてないと悟り、学校をサボり父親に直談判を行う。

「パパ、ボクシングをやめようと思うんだ。」

次の瞬間父親はTVのケーブルを引き抜き、ベントを殴打する。ベントは悟る。自分はボクシングからは逃げられないのだと。

幸か不幸か、ベントは数々の大会で優勝を果たし、ヘビー級チャンピオンに到達する。しかしその中で負けたこともあった。駐車違反をしていないのに駐車キップを貼られ、負けたことを侮辱されたり、傷ついた心を癒すためにクラブに行き女を漁り、徐々に戦うという意欲がそがれていった。それでも尚、彼は一つの思いがあった。

“I have something to prove.”

初の防衛戦、挑戦者のハービー・メイドと戦った。ハービー・メイドは戦う意思を見せる一方、もはや戦うという意思は不思議とベントに沸くことはなかった。相手を倒すという原始的なリングへの疲弊感が募り、敗北と共に外傷性脳損傷を受け、ボクシング人生を終える。父親からは「弱い子は死ね」という言葉を吐かれて。。。

その後彼は文筆業に転向したのちに俳優の指導を行うようになる。彼は言う。「ボクサーは嘘つきた。痛みを無きものとする。俳優はその痛みを受け入れる。自分はこの地(ロサンゼルス)で精神的に成熟した気がする。」

環境が彼を育て上げ、彼は望まずに戦った。父親からの愛情の欠乏。彼は己に嘘をつかず、己を生かせる環境を求めた。暗闇を知るがゆえに、光の尊さを知る。

彼は求め続ける。彼は繰り返し自問する。

“Who am I?”

Share