ややキャッチーな表題にしてみたが、スタンダードプリコーションとは日本語で標準予防策という。やや堅苦しい言い方だが、要は細菌やウィルスによる外的要因から身を守る手段のことである。具体的に言えば、うがい、手洗いなどである。
前回の記事でコロナウィルスの特徴についてまとめたが、最近のニュースによると、感染患者の涙液からもコロナウィルスが検出されたらしい。すなわち考えられる感染経路は、涙、鼻水、咳、そしてこれは予想に過ぎないのだが、体液すなわち性交渉によってもかかり得る可能性があるということである。こうして挙げられた情報を整理していくとHIVウィルスに近いことが分かる。ただHIVウィルスの感染経路が主に性交渉によるもので、しかも同性間性交渉における肛門粘膜の損傷部位からウィルスが侵入することが多いことに対し、コロナウィルスの場合はHIVウィルスの特徴に加え、想定以上に感染力が強く、毒性はエボラウイルス等の強毒性ウィルスよりは落ちる中毒性ウィルスというのが妥当な見解かもしれない。
話がそれてしまったが、スタンダードプリコーションの中核となり得るのが手洗いである。小学校のころから手洗いの重要性は言われてきているだろうが、めんどくさかったり、あまりしっくりこないことがあって意識してこなかった方が多いように思える。ここでもう一度復習してみよう。
以下は北大感染制御部からのものを引用及び改変したものである。
“①時計等を外す。
②石鹸を取り泡立てる。
③手のひらと甲を洗う。
④指を組み、指の間を洗う。
⑤指先や爪を洗う。
⑥親指と手首をねじり洗う。
⑦洗い流し、水分をふき取る。
⑧消毒液を手のひらに取る。
⑨両手の指先に刷り込む。
⑩手のひらに刷り込む
⑪手の甲にも刷り込む
⑫指の間に刷り込む
⑬親指に刷り込む
⑭手首に刷り込んで終了する。
となっている。正しい手指衛生及びスタンダードプリコーションを理解してコロナウィルスに備えましょう。