【Fate】今更ながらロード・エルメロイⅡ世の事件簿を読破してみた

【Fate】今更ながらロード・エルメロイⅡ世の事件簿を読破してみた

HF 第3章、TM展などのイベントを経て型月世界に浸りたいと思った自分はアニメ「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿-魔眼蒐集列車-」を視聴することにした。

ロードエルメロイシリーズは耳にしたこともあり、FGOのコラボイベントもこなしたが、いかんせん触手が伸びない作品群だった。型月シリーズには様々なファンの形がある。触れた時代、作品、相性などによって異なる。自分の場合は、源流派、すなわち奈須きのこ原作を中心とした作品を愛しているというタイプだ。タイプムーン作品は商業的にも大きな価値があるため、アンソロジーをはじめとした様々な派生作品が存在する。IFという可能性を広げていくのはいいと思うのだが、いかんせん本流のエッセンスが薄まってしまっている気がしていた。自分は奈須きのこさんの構成する世界観と文章テンポに惹かれているのだと。だがそんな先入観を打ち砕いてくれる作品だった。

エルメロイ系の作品は、時系列的にFate stay nightとほぼ同時期に当たり、いわばstay nigntの第5次聖杯戦争の裏で引き起こされている物語である。他の作品がパラレルワールドに当たるのに対し、ロードエルメロイの作品は原作に連なる作品と言うことで、奈須きのこさんが描いていないものの、ほぼ原点とも言える立ち位置だ。わりと物語的に重要な立ち位置を任せられた三田誠さんに対して自分はわりと無知だった。twitterのTLに流れてくるのは孔明のガチャ失敗のネタのヒトとしか認識していなかったが、wiki等の情報をあたり納得した。そう、奈須きのこさんが影響を受けたとされる菊池秀行氏に傾倒して作家になったのである。また代表作がファンタジーモノであることなど奈須きのこさんのバックグラウンドにかなり似通っている。2人の出会いは、現在Fate strange Fakeを執筆している成田良悟さんを介してのモノだったそうだが、割と必然とも言える出会いだった気がする。

エルメロイの事件簿については、剥離城アドラはマンガ版、レールツエッペリンはアニメ、アトラスと冠位決議については小説版と飛び飛びに読ませてもらった。(書き出していたら抜けている作品群があったので、おそらく追加で小説を買うと思う。)作品としてはミステリとなっていたが、そこまで深いモノではなく、風といった方が正しいだろう。物語の軸としては、エルメロイがシャーロックホームズ風に謎を解き明かしていくという意外とミステリの古典に則った作品だった。ただシャーロックホームズとの違いは魔術使いの話なので、手段は飛躍することが可能だ。そこでホワイダニット、すなわち動機に対して焦点をおいて作品は展開していく。現実世界だと法律や人権だと制約を受けそうなところを、うまくバトルや心情の機微のコントロール、そしてロジカルに制御された傑作だった気がする。ただAmazonレビューにも書かれていたが、アニメ版はウェイバーが過去ばかり見つめすぎている指摘は当たっている気がする。ここが唯一残念だったところか?

自分の読了した流れが、FGOの本編→エルメロイだった。アニムスフィアの一族が登場したり、マキリ・ゾォルケンの存在や、魔法使いの夜に登場した蒼崎橙子とベオ君が傷つけたとされるレールツェペリン、エミヤ一族の登場など正史と言ってもふさわしい内容であり、ワクワクさせてもらった。型月作品にありがちだが、より多くの作品群に触れていると作品の幅が広がるファンサービスにあふれるモノだった。アニメでも際立っていたけど、とりあえずグレイたんはかわいい。

2020年の冬に続編となるロードエルメロイの冒険シリーズが始まるらしい。奈須きのこさんを除いて久しぶりに心の琴線に触れる書き手を見つけられた気がする。今作品の主人公ウェイバー君を生み出したニトロプラスの虚淵氏との会談記事にて「型月作品は大人のおもちゃ箱」という表現をされていたのが非常にしっくりくる。奈須きのこさんの生み出した世界観に様々な作家さんの力を加えて世界やキャラクターが色を持ち、世界が拡張していく。許容性と創造性を併せ持ち、可能性を広げていく型月作品。strange Fakeも読んでみようかな?

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