【CNN EE】2021 4月号

【CNN EE】2021 4月号

今月号のCNN EEの印象はざっくばらん、オムニバスという感じだった。上級編にお決まりの共和党批判を載せていた以外は基本的に読みやすい内容が多かった印象だ。

キリスト教的な相互扶助意識なのか、アメリカの寄付文化のせいなのか米ミネソタ州ブレナードにあるファーストフード店「デイリー・クイーン・グリル&チル」で起きたペイフォワードと呼ばれる商品の代替えや寄付の連鎖の話は面白かった。心理学的側面でコミットメント(一貫性)の発露なのか、パノプティコン的制約なのか、文面通り読み取れる相互扶助なのか意地悪い自分としては疑いたくなるが文面通りとっておいた方がなにかと幸せそうだ。
仮に前者だとするとアメリカ人も日本人に劣らない社会的側面を持っていると言うことが証明されることとなるのでそれもそれで面白そうだ。最近のニュースでアメリカ人における投資をしているヒトの割合が50%前後だという株式売買会社ロビンフットの関連記事で上がっていたが、日本人がイメージするアメリカ人は実像と意外と離れているのかもしれない。我々日本人が寿司、忍者などとイメージされるのと変わらないと考えるとなかなか愉快だ。

個人的に興味を惹いたのは中東関連の話題だった。ドバイのミラクルガーデンも面白そうだったが、サウジアラビアの変化も面白かった。自由への舵取りは順調そうな一方、弾圧や疑惑も絶えない。また石油事情を考えても石油価格の乱高下、環境問題への対策などを考えると原油国という一つの産業に縛られるのはリスクでしかないのだろう。莫大な石油から得た資産からどう産業を興していくのかは今後の展開として着目していく観点であろう。西欧諸国と文化的背景が違うところから自由の定義も変わるのも難しそうだが、ヒトは快なるものに惹かれる傾向がある。何を快に感じるかも置かれた環境、文化背景によって変わるだろうが、マックスウェーバーが唱えた伝統的支配を続けるにはある程度の自由を確約しないと将来的な国力は下がってしまうというジレンマもあるのかもしれない。

アルテミス計画も自分は記事を読むまで知らなかったが、宇宙計画も官民問わず競争が激化している。(FGOプレイヤーだとアルテミスは親しみがあるかもしれない。)今回の記事に関連してイーロンマスクさんとジェフ・ベゾスさんの記事も読んだが、2人の見解が似通っているようで違うのが面白かった。スペースXのイーロンマスクさんは気候変動や巨大隕石によって地球が滅亡するときのバックアップとして火星を居住可能な惑星に変えようとしている。一方ブルーオリジンのジェフ・ベゾスさんはエネルギー問題の解決として太陽エネルギーを利用するために物理学学者ジェラード・オニールが提唱したオニール式巨大宇宙ステーションを計画しているそうだ。意外だったのは少年の頃から夢見た人類の宇宙移住のビジョンをアマゾン創業で得たカネを利用して遂行しているとのことだった。物流革命ではなく宇宙事業というのがロマンなのか、自己顕示欲によるモノなのか当人にしかわからないがすごそう。ネタバレを回避するためにあえてぼやかして書くが、エヴァでイーロンマスクさんみたいなことを言ってる人いましたね。ええ。

他に面白かったのはチャールズ皇太子に対するインタビューだろう。主に気候変動に対する対策に対しての提言だったが、巻末のクエスト記者が民間セクターへの協力は無理ではないかと聞いてやらねばならないと答えている辺りある種諧謔性を孕んでいるのが愉快だった。CNN中立なふりをしてこれ聞いてるとしたらなかなかやらしいねぇと思うと同時におかれた立場や環境で言い分も変わるよなぁとも思った。環境問題へのシンポジウムにプライベートジェットでやってきたセレブが問題になったようにESGにも通ずるイメージ商売の域をでない気がする。2ch創設者のひろゆき氏がESGの唯一の民間セクターにおけるメリットは儲けにならない事業を行うことによってそれだけの余裕がある企業ですよと示すことができると言っていたがその意見に同意である。やはりバフェット氏の提言通り民間セクターは営利活動に専念し、その利益を公的機関が上手に分配することに腐心した方が環境問題に限らず社会問題の解決に一番直結する気がすると思うのだが、いかがだろうか?

他にもフードロス問題に取り組むmottainaiプロジェクトの話だったり、エベレスト標高論争など雑多な話題が豊富だった。ぜひ読んでみてください

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