【雑記】さようなら、全てのエヴァンゲリオン

【雑記】さようなら、全てのエヴァンゲリオン

先日エヴァンゲリオン最終章「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」を見てきた。感想からいえば大変満足だった。以下ネタバレを含みつつ感想を述べていきたいと思う。

以下、ネタバレを含みます。

twitterで述べていたように最初はAmazon Primeで公開されるのを待とうと思っていたのだが、Amazon Primeで公開されていた本編の一部を見てやはり見に行かねばならないと思った。ええ、サイクロプスゲンドウが気になるじゃないですか!!

前作の復習をせず、ネット上で軽いネタバレを見てからのぞんだので大体の話の流れはわかっていたが、エヴァ特有の世界系の描き方として、ストーリーを知っているのとはまた別に独特な世界観の描き方はやはり映像という表現方法は見なければわからないということだった。

自分が覚えているストーリーをざっと復習すると、Qの最後から第3東京村にたどり着き、奇跡的に生きていた昔の同級生たちとの日常パート→ヴンダーに戻りアスカとマリの戦闘パート→色々あってゲンドウとの戦闘及び会話パート→シンジが世界を救済し、マリとの未来を始めるといった流れだった。綾波(仮称)が村のヒトと触れ合い、自我を確立しつつ体が負荷に耐えられずLCLに戻っていく姿は可憐でもあり、またどこかこうした日常が輝いて見えた。

疑問も残らなくはなかった。アスカオリジナルの所在、マリの正体(ぼんやりとは描かれてはいたが、肉体が若い理由(一説によるとエヴァの呪縛とのこと))、ミサトさん達のその後など。ただ概ね疑問だった部分はまとめて上手く風呂敷をまとめてくれた気がする。

宇多田ヒカルさんが歌ったOPの意味も全てゲンドウからユイへの愛の歌と取れるのも感慨深かった。サクラダファミリアよろしく、今までの旧エヴァンゲリオンも含め、完成途中の芸術は理解され得ないモノなのかもしれない、もしくは監督自身のリアルも含めてそれらを包括する何かが生まれ今回の作品の中で昇華されたとも取れる。エヴァンゲリオンとは結局子供の心を持ったbeautiful boyことゲンドウがユイと出会ったことに生まれたbeautiful worldを追い求める物語だったのだ、と。読書やイヤホンによって世界と隔絶することを選んだはずのゲンドウがユイによって心の壁ATフィールドを溶かされ、同時に喪失感を味わうことによって生まれた肉体的な壁を取り払う補完計画、そしてユイともう一度出会いたいという純粋な願いが全人類を巻き込んだ形だった。そしてそれに対話による否を唱え、皆を導き、神話となった少年こそシンジであった。自分の責任の重さ、喪失感から押しつぶされそうになっても綾波(仮称)やアスカの優しさや叱咤激励により立ち直り、己の使命と運命を受け入れ向き合っていこうとする強さに感動した。今作によりはっきりと世界がループしていたことを示されたわけだが、劇題のリピート記号の反転𝄇はシンジが世界の在り方を自ら定めたコトによるリピートの終演を表していると考えられる。

「死に至る病」を書いた哲学者キルケゴールによると、「現実の自己が本来の自己に関わるときの齟齬が絶望である」と説いている。即ち自意識としての自分とリアルとして他者から感じる自己が乖離することで絶望が生まれ、その絶望から逃れられる人間はいないということだ。大なり小なりヒトは絶望しているということである。ニーチェの「永劫回帰」における超人思想よろしく結局人間とは正しく絶望し、運命を受け入れ、己の道を己で定め歩みきろうとする意思こそが世界を切り開くのだと思う。そしてその運命の円環(劇場版Qは円環からはみ出たモノの意味も含まれているらしい)を救い出してくれた安野モヨコさんに監督はマリの姿を重ねたと何かの記事で見たが、そうした他力も肝要なのかもしれない。ヒトは堕落論よろしく、堕落しきるには可憐で脆弱すぎるが故にシンジは立ち上がり、神話となった。(最後の実写パートはシンジがエヴァのいない世界を作り出した世界に我々が生きていることの暗喩らしい)理不尽上司の代名詞となりそうだったミサトさんも今作ではしっかりと補足されミサトさんファンの自分としては満足だった。(ヒロインだと綾波かマリが好きでした。)大人になったシンジを演じた神木さんよろしく我々も作品の円環から抜け出し、新しき世界を想像せよというメッセージだったのだと思われる。(ちなみに神木さんの年齢は序の時点で14歳、今作で28歳だったそう。(シンジの年齢にリンクしている)(考察班の人たちすごい。))こうした創作における感動を味わうたび自分自身も生き続けなければいけないと思う。また傑作が生まれた瞬間に立ち会えて感激だった。名残惜しくもあり、また不思議な清涼感を得ることのできた最後のエヴァンゲリオンだった。ありがとうエヴァンゲリオン。素敵な作品でした。また派生作品で会えるかもなんて淡い期待を残しつつ。

素敵なカブをありがとうございました。ウルトラマンも楽しみしています。
初めてのルーブルは
 なんてことはなかったわ
 私だけのモナリザ
 もうとっくに出会ってたから
 初めてあなたを見た
 あの日動き出した歯車
 止められない喪失の予感
 もういっぱいあるけど
 もう一つ増やしましょう
 (Can you give me one last kiss?)
 忘れたくないこと
 Oh oh oh oh oh…
 忘れたくないこと
 Oh oh oh oh oh…
 I love you more than you’ll ever know
 「写真は苦手なんだ」
 でもそんなものはいらないわ
 あなたが焼きついたまま
 私の心のプロジェクター
 寂しくないふりしてた
 まあ、そんなのお互い様か
 誰かを求めることは
 即ち傷つくことだった
 Oh, can you give me one last kiss?
 燃えるようなキスをしよう
 忘れたくても
 忘れられないほど
 Oh oh oh oh oh…
 I love you more than you’ll ever know
 Oh oh oh oh oh…
 I love you more than you’ll ever know
 もう分かっているよ
 この世の終わりでも
 年をとっても
 忘れられない人
 Oh oh oh oh oh…
 忘れられない人
 Oh oh oh oh oh…
 I love you more than you’ll ever know
 Oh oh oh oh oh…
 忘れられない人
 Oh oh oh oh oh…
 I love you more than you’ll ever know
 吹いていった風の後を
 追いかけた 眩しい午後

歌手:宇多田ヒカル
作詞:Hikaru Utada
作曲:Hikaru Utada

シン・エヴァンゲリオン主題歌 「One Last Kiss」より引用
 
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