【投資】2021年会社四季報春号を読み解く。

【投資】2021年会社四季報春号を読み解く。

私事ではあるが、東洋経済社の四季報定期購読1年契約最後の巻となった。気づくともう契約してから1年経ったんだなぁということと、四季報の位置づけが自分の中で相対的に低下していたことから定期購読はやめる予定だ。しかしながら労力のかかるモノの今一度四季報を読み返してみると日本経済に対する俯瞰的な見識を得ることができることも再確認された。今後購入し続けるかは迷うところである。

だらだらと前書きを書いたので本題に移りたいと思う。まずは自分が今月号の四季報を読んで感じたことを箇条書きにしていきたいと思う。

投資家を意識したIR需要により関連銘柄の業績が↑。
モスフードが露出増加とヒット商品のおかげで劇的に業績改善。
祖業との乖離が見られる企業が増えてきた印象。
建設系銘柄の業績が改善傾向。
アニメ関連(鬼滅の刃効果)が伸張。
高度スキル人材の不足が目立つ。
塾業界は集団授業型から個別指導系の流れが進む。思ったより教育需要は落ちず。
巣ごもり消費のマーケットを取れるかが今の企業業績につながっている。(内食、EC等)
仮想通貨(暗号資産)の値上がりにより仮想通貨に注目が集まり、取引所関連の業績が伸びる。
ネットスクールの活況が見られる。
M&A活況になってきている印象(リスク分散と成長性に対して)
中古車関連が伸びてきている。(一方新車需要はそこまでの模様)
ネットマーケティングの需要が伸張。
少子化対策分野は補助金により伸張。
消費者の高価格帯向けブランドと低価格帯向けブランドの棲み分けが一層進んでいる。
コンビニ関連↑。
消費の中心がより一層街から家へ。
PC関連引き続き伸張。
衛生関連↑。
太陽光発電需要↑。
広告需要回復か?
医療分野への補助に対する期待。
交通費の経費圧縮により売り上げが低下したモノの、利益率向上傾向。
外国人向け不動産事業↑。
物流↑

個別銘柄の言及はあえてしないが個人的な感想は以上だった。(重複している部分もあるだろうが)日本の経営者が陥りがちな株主方向を向かない経営スタイルに対して是正傾向であることは投資家として喜ばしいことだと感じた。また向かい風状態の外食産業でもモスバーガーの様に業績が好調な企業を見ると、経営手腕が不況時にはより一層浮き彫りになるのかもしれない。またよく富士フイルムを引き合いに出される言葉ではあるが、祖業との乖離が見られる企業が多くなった印象だ。これは時流から考えて当然のことであり、今まで蓄積した経営資源を有効に使って挑戦することがより求められる時代だということを表していると考えられる。

自分自身も触れたが大ヒット上映中のエヴァを始めとしてアニメ関連の事業は今後も大きな経済効果を生む可能性が高い。クリエイターの方の身分保障と還元をきちんと進めていけば日本経済の柱になると思う。これはイチオタクとしては期待している。また少子高齢化が進む一方で高度スキル人材の不足を感じている企業が多い印象だった。単純作業は機械に代替されていく一方で、統合知や倫理面、感情面に即した問題解決ができるのはやはり人間しかできないだろう。

教育熱が高まる昨今教育需要は下がらなそうだ。集団型から個別指導型に切り替わることにより高単価な教育サービスが充実していくだろう。個人的に知識伝達における最適解は、パーソナライズされた教育計画に基づく相互的な教育、即ち教育計画を立ててあげて教育進度のリズムをとってあげると同時に質疑応答によって理解度や知識の使い方を押し上げるのが理想だと思っている。(ちなみに知識伝達において集団形式の授業形態だと吸収効率が20%、個別指導型のディベート形式だと80%とされているのを見たことがある。)

またコロナ環境下では当たり前となりつつあるが、内食・EC需要を如何に深耕するかが成長性の鍵になりそうだ。まだECサイトが使いにくかったりする企業が散見されるが、Amazonが実験導入しているリアル型店舗はショールーミング的な使い方で、基本的な買い物はネットという購入形式が若い世代を中心により一層続いていくだろう。リアル店舗型のメリットは購入体験を得られやすいこと、値段に対する警戒心が下がりやすいことなどのメリットがあり売る側としては値段比較しやすいECサイトの導入に抵抗感があるだろうが、この流れは不可逆的と言えそうだ。コロナ環境下において消費者がネットショッピングの便利さにより一層気づいたことでEC市場も伸びていくことは間違いないだろう。(同時にデジタルマーケティング需要も上がってきている。)政治家の麻生さんが発言していた通り景気は消費者心理に紐付いているためコロナ環境が落ち着いても生活様式はあまり変わらないと思われる。リアル型店舗のショールーミングやコンシェルジュサービスがどこまで優位性を生み出せるかが課題になってくるだろう。個人的には極端にこの傾向が進んでしまいリアル店舗がスカスカになってしまい街の景観がゴーストタウン化してしまうのも寂しい気もするが。

意外だったのが仮想通貨のワードがちらほら目立ってきたところだ。自分も最近始めたがビットコインの値上がり、億り人の話題が出るたび注目を浴びやすいのだろう。仮想通貨関連の話題はまた違う記事で触れようと思っているが先行きが不明なモノの面白い分野だと感じている。

一時期落ち込んでいた建設業、広告業界、空港関連も動き始めている模様だ。こうした業界が動き始めると景気回復の流れを感じる面が強い。一方中間管理職の必要性の是非、移動費抑制によって生じたコストダウンなど今まで感じていたモノの実行に移せなかった経営スタイルの構造も大分変わっていくと考えられる。懸念されるのは地方出張の抑制による地方経済の衰退だが、リモートワークの浸透と経費抑制が働き地方へ企業誘致、もしくは創業の流れが進むといいなと考えている。

個人的な感想は以上である。こうしたボトムアップアプローチが逆説的にマクロ経済の理解につながるとジム・ロジャース氏も言っていたが、改めて見返してみると頷くところも多かった。投資判断の参考になれば幸いです。

Share