【投資】投資本マニアが選ぶ珠玉の五選

【投資】投資本マニアが選ぶ珠玉の五選

今までかなりの量の投資本を読んできた。読んだ冊数は覚えていないが、現在本屋さん及びAmazonで取り扱われている本は立ち読みも含め大体目を通している。

そもそも投資本を読む意義とは何だろうか?ヒトによっては引退したトレーダーの小遣い稼ぎ、荒唐無稽なモノ、CISさんをはじめとしたトレーダーの弁を借りるなら相場のことは相場に学ぶしかないから意味をなさないという主張もある。それも一理あると思われる。これは自分なりの解釈なのだが、「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」と言う言葉がある。しかし我々は天賦の才と最大限の努力をしたところで、自分が認識し得ないリスク、すなわちブラックスワンからは逃れ得ない。すなわち我々は等しく愚者となる。愚者が賢者に近づこうと取り得る策は、先人が残した英知のかけらを集め、自分の投資及びトレードスタイルにあった相場環境の切り取り方とマインドセットを身につけることにあると思われる。まとめると、投資本からエッセンスを抽出し、相場に対する己の尺度を形成するために、もしくはショートカットするために投資本の存在価値はあり得ると思われる。後述もするが、自分も含め知識量や経験によって本から得られる経験値は変化する。いわば己の仮説に本を読むことで裏付けをしていく行為をしていくとも言い換えられる。現時点(2020/9/2時点)で参考になり得ると判断した5冊を紹介したい。

『矢口新の短期トレード教室』

Twitterでもちらほらおすすめされている本。短期トレード中心の解説だが、株式における長期投資にも有用であろう。この本の面白いところは読み手によってかなり評価が分かれるところだ。Amazonのトップレビューは低評価で読む価値なし、と言われているが、この方の言い分もわからなくもない。この本の特色というか、読み手が期待する魔法の手法というモノが存在しないことだ。投資は不完全情報ゲームであることから結果が確率論に収束する。すなわち優位性のある手法をいかに体得できるかが投資における肝だと思われるのだが、それに対する答えが相場で磨けということだからだ。だからどちらかというと名著『デイトレード』に近しくマインドセットや短期トレードにおける判断のポイントを説いた本と言える。自分は今回紹介する本の中で一番読み返している本でもある。

『投資家のための金融ハンドブック』

前版を買ってこのたび新版が出たので買い直した。本の中身としては国ごとの重要指標の見方をまとめてくれている。自分の現時点での相場環境の認識の仕方がボトムアップアプローチ、すなわち株や為替の動きから相場環境を認識するアプローチ方法をとっているのでどちらかというと辞書的な意味合いで持っている。ジョージソロス氏が得意としたグローバルマクロアプローチをとる場合には必携の書とも言える本だと思われる。さっと読んで辞書的に保有するのが今のところおすすめの使い方か?

『株を買うなら最低限知っておきたいファンダメンタル投資の教科書』

株の基本的なファンダメンタルアプローチを説いた良書。自分もこの本を起点としてファンダメンタルや株式の定量的な企業価値推定のDCF法を勉強したのだが挫折した。理由としては企業価値推定法法は実務を除き投資的側面で考えると、概念が難解で手間がかかることに対して用いる数値が推定量を用いなければいけないことなどを勘案してやめた。自分の持っているファンダメンタル的な知識はほぼこの本だけである。投資における美人投票を考えると衆人にわかりやすい指標の方が投資としては利用価値があると思われる。ファンダメンタルアプローチを使うかどうかという判断とテクニカルと共存させるかという個々のさじ加減による好みはあるにせよ、良書には違いない。

『リスクテイクの経済学』

投資本ではないのだが、経済学者による一般事象に置き換えたリスクテイクに対する本。リスクを感覚的につかむのに適している良書。余裕がある方は『ブラックスワン』や『超予測力』などの類似書も予測に対する概念形成やブラックスワンに対する理解も深まるのでおすすめ。

『小次郎講師 チャート大全』

テクニカル手法のまとめ。自分が目にしたことのあるテクニカル系の本で一番まとまっているのではないだろうか?本書にも書かれているが、テクニカル手法を学ぶことは相場環境の認識力を向上させることにある。特にこの本の中では一目均衡表に対する解説が詳しい。一目均衡表を作った後継者の本によると物足りない面もあるらしいが、教科書的なアプローチとしては可不足なく、もう少し深めてみたいと思ったら一目均衡表関連の類書を当たるといいだろう。自分も一時期一目均衡表にはまった時期があり、一目均衡表のページは何回も読み返した。

いかがだっただろうか?どの本も珠玉の出来であり、まだまだ修行の身の自分が語るにはおこがましい面もあるが、良書は世間的に認識されるべきであると思ったので紹介させていただいた。ただどの投資本にも共通のことだが、あくまで本が提供してくれるのは相場を理解するための材料と気づきだけである。それらの材料を選び取り、どうカネを賭けるのかは本人の裁量による。ベテラン投資家であれ投資やトレードにおける聖杯は完成し得ないと思っている。それはAIを使ったとしても同じことであろう。いずれにせよ、変化する相場環境に適応するためにも武器を揃えていくことは肝要だと思われる。

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