【投資】公益資本主義を考える

【投資】公益資本主義を考える

本記事を書いている2022/1/19、株式市場は荒れ模様である。自分の持ち株も値を下げ、米国の利上げ観測に基づいた連れ下がりとも色々言われているが、粛々と対処するのみである。


さて、Twitterを眺めていると投資界隈のツイートから気になる本を紹介している方がいた。それが、『「公益」資本主義』と題された本だった。聞くところによると、岸田政権の経済思想の根本となっているそうだ。早速Kindleで購入して読んでみた。

感想としては浅学非才の身であり、個人投資家としての考え方からか反発する部分が多かった。詳細な批判は別な方にお願いするとして、自分としては投機家に対しての偏見とリスクプレミアムの本質を違えているのではないか、と感じた。加えて国民は無知で格差が広がるから賢い俺達が管理してやるよ、という傲慢な大きな政府を肯定している様にも見える。最低限の法整備とルール管理を行い、市場の自由競争性に任せ、企業の新陳代謝を行う。これが健全で活発な企業活動を推進させ、企業及び投資マネーの潤滑化に寄与するのではないだろうか?

公益資本主義に対する批判点をまとめてくれている。

たしかにHFTなど完全なアルゴリズムに対しての規制は必要であると思われるが、アクティビストやヘッジファンドトレーダーに対して金儲けしているからダメ、というのは早計すぎる。ケースバイケースだろうが、アクティビストに対しても、株価が低下している企業に対して経営改善案を提示して株価を上昇させ、売り抜けるというのはそんなに悪いケースなのだろうか?村上ファンドの村上さんの著書を拝見したときも書かれていたが、今は大分改善してきたところもあるとは思うが、あくまで株式市場というのは株主の意見が一番大きいのであって役職が高いから経営の私物化が許される、と言うものではない。ネットで書き込んでいた方もいたが、買収リスクや口出しされたくないならば上場しないというのも一つの方法であるからだ。最近の東証の再編事例を見てもヒトはそんなに理性的でもなく合理的でもない。投資家は悪で経営者は正義、と書かれているニュアンスに映るがその逆もあるのではないだろうか?

アクティビストの本質はこの方の言葉に詰まっていると思われる。

なぜ自分がここまで書くのかというとリスクに対しての理解が低いと思っているからだ。古来株式市場というのは株主が出資という形で経営面のリスクを引き受け、倒産や経営の低迷に耐えながら利益を享受することもある、と言う形が古来からの株式市場の在り方ではないだろうか?投資と投機は厳密に分けられないし、そもそもリスクを誰かが引き受けてくれいるから各々の会社が存続できているのだと思う。リスクテイカーがプレミアムを得る。当然の論理である。そもそも根本的なことを言えば銘柄選択、投資タイミングを含め全て投機的といえるだろう。岸田総理含め政治家が日本株を資産の一定割合を保有して初めて可能な政策なのではないだろうか?それこそ施政者が株価変動のリスクを取らずに企業に対して賃上げ要求をしたり、個人投資家含む投機的手法の否定はおかしいと言わざるを得ない。そもそも円安論争と合わせて、日本株を持つのはアホ、米国株インデックス投資こそ正義となっている現状に憤慨せねばならないのではないだろうか?

ESG投資の教科書にも書かせていただいたが、こうした会社に公器的価値を過剰に持たせることに対しては懐疑的だ。それらはそれこそ行政やNPOなど他の社会団体がやるべきであって、ある程度のルール整備の後は納税や雇用という形で十分公器として役目を果たしているように感じる。雇用に対しても日本企業に独自にルールを課していると外資系の会社に出し抜かれてますます成長性が落ちていってしまう気もする。一つだけ本書で納得できる面があったとすれば新技術・新産業への投資への税金控除の部分だろうか。チャレンジには必ず失敗と時間がコストとして必要となる。これらに対する保護は長期的に株価上昇につながるためこの点は同意する。(よくあるなんちゃって株価対策と同じようにキーワードだけ混ぜてくるケースもあるので精査が必要だとは思うが。)

これらのブレーンの話を聞いて旗を振っているのは岸田総理だが、驚くほど支持率が高いのが現状だ。別に交代しろとは言わないが、方針を見直した方が良いと思われる。(市場の急落に対して意外に変わらないポジションを取っているのが日銀総裁の黒田さんだけな気がする。)マキャベリの君主論には、「民衆を統治するならば民衆の私財に手を着けず、婦女を犯すな」とある。後者はないとしても前者は投資クラスタの敏感な層を中心に始まっている気もする。投資家の割合が国民の一割にも満たない、なんて話もあるが、こうした話に憤慨している自分はマイノリティなのだろうか。管前総理も安部前総理も動きを活発化する中施策は変わるのか、そのままディストピアに突入するのか。政治と市場の動きを注視しつつ、生き残ることに全力を投じることに変わりは無い。日々研鑽を続けたい。

自分の言いたかったことを代弁している気がする。
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