【投資】アルケゴスショックについて現時点でわかっていること

【投資】アルケゴスショックについて現時点でわかっていること

アルケゴスという言葉に自分は聞き覚えがなかったが、野村證券、クレディスイスなどの機関投資家の損失発生ニュースと共に注意を向けるようになった。

アルケゴスとはアルケゴス・キャピタル・マネジメントというビルファン氏が率いるファミリーファンドを指し、同社に関連する200億ドル(約2兆2000億円)のポジションが強制決済されたことによって引き起こされた一連の事件を指す。

同社は主にCFD(差金決済取引)を利用して取引しており、これはFXと同じく現金を担保にして株式市場、個別株、コモディティなど各種指標や金融商品に対してアップorダウンを賭けるシステムのことを指す。これらのシステムを提供していたのが、クレディスイス、野村證券、みずほ、三菱UFJ証券、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、ウェルズファーゴ、ドイツ証券だった模様。ゴールドマンサックス、ウェルズファーゴ、ドイツ証券はうまく切り抜けた模様だが、特にクレディスイス、野村證券はかなりのダメージを受けた模様。GSからは野村證券の格下げをされたり、なんであんなアホな取引しているのか理解に苦しむねなんてコメントをされて散々な模様。

似たケースとして思い出されるのがリーマンショックだろう。映画「マネーショート」でも描かれていたが、元眼科医の投資家マイケル・バーリ(クリスチャン・ベール)が低所得者向け住宅ローンの崩壊を予想し、機関投資家にデリバティブ取引として「クレジット・デフォルト・スワップ」というオプション取引におけるプット型の金融商品の契約を持ちかけこれにより巨万の富を得る。これはプット、即ち価格が下がったときに金融商品の価値が上がっていく形の金融商品だった。劇中では随時発生するコストで破産しそうになるモノの最終的には巨額のリターンを生み出した。

デリバティブ取引はリーマンショック時にかなりの規制が入り、新規のデリバティブ取引は難しくなったとされる。(マネーショート劇中でも触れられていたが、サブプライムローンの買い支えの介入を行った格付け会社、政府機関の人間はほぼ罰せられないのはおかしいとされている。取引自体変動性を生み出すモノの決められたルール上の範疇だったのだから悪者にされるのはおかしいと思うのだが。伝説の投機家リバモア然りショート方向で利益を得るプレイヤーは叩かれやすい傾向にある。)

ではなぜこのような取引が可能だったのかと言うところに関しては、ファミリーオフィスという特殊性があげられる模様だ。自分が関心を持っているジョージソロス氏、レイ・ダリオ氏も最近ヘッジファンドからファミリーオフィスに移行したが、こちらはヘッジファンドと比べ米国証券取引委員会(SEC)に対して登録及び報告義務もなく、ヘッジファンド全盛期だった過激な投資手法を採ることができる。蓄財したスタープレイヤーが引退して資産運用会社として経営しているのかと思っていたがそうではなく、運用資産規模も破綻したLTCMよりも大きな規模になっている模様だ。雑誌の特集でたまたまソロス氏のポートフォリオを公開してたので興味を持って見ていたが、かなり複雑なポートフォリオを組んでおりソロス氏らしいなぁと思っていたが、出資者に対しての説明義務もなく、より果敢にリスクをとりたい投資家にとってはファミリーオフィスは最高の取引環境だろうなと容易に想像がついた。

つぎにデリバティブ取引を利用していたので投資実績がつかみづらかったというところにも原因があるそうだ。CFDは取引所側にとっても手数料がおいしい面もあるが、プレイヤー側にとってもアップorダウンどちらに賭けるにしてもやりやすい側面がある。個人的には経営権を握るなど実利的な側面を除くとCFDやオプション取引などのデリバティブ取引の方が絶対的なリターンを狙いにいきやすいと思っている。

金融取引の規制に意欲的なバイデン政権にとって今回の件でより一層ファミリーオフィスに対する規制が進むだろうとされている。その一方で新興市場や暗号資産に投機マネーが流れるとされている。ある意味でハイリスク資産の流動性が上がるのろしなのかもしれない。

P.S 自分も知識がなかったが、今回事件を引き起こしたビルファン氏は解散したヘッジファンドタイガーファンドの生き残りらしい。タイガーファンドもかなりのリスク取引を行い破産してしまった模様だが、ネットで見かけたひふみ投信の藤野氏のFBによると彼らは何度破産しても再び戻ってくるだろう、そうした超人なのだと評していた。自分もそうだが、金融市場という知的ゲームの刺激は一度味わってしまうと離れられない魔力を放っているのかもしれない。

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