【レビュー】『パワポケR』でぶったまげることはできたのか

【レビュー】『パワポケR』でぶったまげることはできたのか

ゲーム熱が下がっている中、久しぶりに新作『パワポケR』を購入してみた。自分は現在Switch Lite、PS4、PCを所有しているが、Switchはパワプロ専用機PS4は月姫専用機と化している。おじさんゲーマーとしてプレイした感想をつらつらと書いていこうと思う。

そもそもパワポケシリーズとの出会いは10年以上前となる。元々のパワプロクンポケットが発売されたのは1999年である。当時親戚から譲り受けたゲームボーイでパワプロクンポケットをプレイし、後にゲームボーイカラーでパワプロクンポケット2をプレイしたのは良き思い出である。昔はパワプロの打撃判定が結構ガバガバだったので、パワーB以上で強振でボールの下辺りを当てるだけで簡単にホームランになる、というもはやピッチャーの能力以上にバッターが点を入れる点入れ合戦となっていたのが懐かしい。最近のパワプロシリーズをプレイすると一つ一つの操作がかなり難しくなっており、特にサクセス等ですけすけゴーグル(相手の球種が分かる)、ロックオンネックレス(打撃の際のロックオン選択幅が一段階アップする)などがないと正直きつく感じる。その分球種が昔より格段に増えたため、ピッチャーを育成する楽しみは増えた気がする。

ゲームボーイカラーのプレイ画面。懐かしい。

そんなことを思い出しながら今回手に取った感想としてはまあまあ楽しめた、というところが本音だろうか。自分はミニゲーム戦争編のサクセスサイバーバルをプレイしたがやはりどこか思い出補正だったのか、期待値は高めであったものの思ったより楽しめなかった。月姫リメイクでも若干覚えた感触にも近いのだが、そもそもシナリオが頭に入っているので追体験したいという気持ちにもなれなかったこと、上述したが、プレイ難易度の上昇により気軽にサクセスを楽しめなくなってしまったことが原因と考えられる。これらの理由はゲームそのものの問題というより、プレイヤーとしての自分自身の問題なのかもしれない。個人的にパワポケシリーズはパワプロシリーズを含めてもシナリオの練度はかなりの高さだと評価している。自分の今の創作活動の核となっているのも正直言って奈須きのこさんの作品とパワポケシリーズと言って良いほど素晴らしいと思っている。当たり前の話なのだが、シナリオ展開が頭に入っていると展開の先読みが起きてしまい、開発者側が期待するほどのプレイ体験ができないというところが悲しいところなのかもしれない。

シナリオ展開と世界観の作りこみは他作品と比べてもかなりの出来栄えだと思っている。

そして次の問題点としては、昔の発売環境よりもゲーム環境自体が格段に進化したことが挙げられると思われる。少子高齢化を受け、昔よりも子供に向けられる遊興費が上がっていること、そしてオンラインゲームが基本となりつつあることだと思われる。自分が子供だった環境を振り返ると、オフラインでゲームをすることが基本だった。自分の場合、ゲームボーイシリーズ、スーパーファミコンなどを中心に触れていた。今は家庭用ゲーム機に収まらず小学生でもゲーミングPCを持っている時代であり、なによりオンラインでチャットを交わしながらプレイをする、いわば誰かの家に遊びに行って遊ぶと言うより各々の家で交流する時代である。シナリオの質が良くても話題になりにくかったり、オンラインでプレイし感情を共有しづらいモノは売れにくい、そんな流れを感じる。

プロモーションは非常に上手だった気がする。ストリーマーやVtuberの方にも積極的に売り込んでもらっていた気がする。

おそらくその欠点を埋めるためにサイバーバルを入れたのだろうが、プレイしてやりこみ要素はあるモノのややあっさりしすぎていてプレイ体験として盛り上がりきれないこと、オンラインで協力プレイをしようとしても本作の人気のなさも相まってかなかなか協力プレイができないことが挙げられる。(なかなか部屋が立っていない、立てても人が入ってこない)(ちなみにサイバーバル全クリ済。)

もう少しオンライン人口が増えて盛り上がれば楽しめたかも。

全体を通してみると、人気配信者などを通してプロモーションなど販促自体は上手くやっていたモノの、肝心の作品の仕上がりと、時代に作品が合わなくなってしまった、というところが大きいのかもしれない。肝心のシナリオもyoutubeで検索すればシナリオを追うことができるし、パワポケシリーズのwikiも充実している。自分は今と比べてオリジナルのパワポケを何も比較せずに純粋に楽しめた時代があって幸せだったのかもしれない。パワポケに限らず重厚なストーリーを楽しみつつ進めていくRPGものに対しても逆風が吹いてしまう時代なのかもしれない。今後は恐らく手軽に楽しめ、射幸心を煽ることができるスマホ向けアプリゲーム、美麗なグラフィックやオンライン対戦、協力プレイをメインとしたFPSやTPSの基本無料ゲームがゲーム業界の基本になっていくだろう。骨太なストーリーを含むモノはおそらく伝統的なエロゲやギャルゲに代表される紙芝居ゲーやアニメ、マンガ、小説によりシフトしていく気がしないでもない。時代の流れを感じつつ、一抹の悲しさを覚えるおじさんゲーマーでした。

追記)OPの「パワプロクンポケットー!」っていう掛け声、なんか好きでした。

Share