【マクロ分析】原油価格と経済を読み解く(3/14)

【マクロ分析】原油価格と経済を読み解く(3/14)

今週は波乱の1週間だったが、ダウ値上がり、ドル高で終わった。有名投資家のcis氏のtwitterを見ていると今後コロナ以外のリスクとして以下のものがあげられると言っている。

原油価格、ドイツ銀行、GSのデリバティブに言及している。

そこで今回は原油価格に着目していきたい。

そもそも始まりは3/6のOPECプラス(OPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国からなる)にさかのぼる。サウジアラビア率いるOPEC側が、原油価格の維持のために減産強化を働きかけたのに対し、これをロシアが拒否したことでいざこざが生まれた。お怒りのサウジアラビアは原油価格維持を諦め、むしろ価格の主導権(マーケットリーダー)を握るべく、増産の意向を示した。ロシアが拒んだ理由として、米国のシェールオイルを意識したものされる。

2017年のトップスリーは、3位がロシア、2位がサウジアラビア、そして1位はアメリカ合衆国(米国)となっていた。水圧破砕法を利用したシェールオイルの生産が広まったことで米国は、サウジアラビアとロシアを追い越して世界最大の産油国となったのである。

サウジアラビアは2014年に増産によって原油価格を大幅に下落させ、シェール生産者潰しを狙った。しかし、結果は失敗した。今回はサウジアラビアではなく、ロシアがそれを狙って動いたということになる。ロシアとドイツをつなぐ天然ガスパイプライン建設計画をめぐる米国政府の制裁措置に対抗したものではないかとの見方もあった。

原油価格によってどのような影響が出てくるのだろうか。かつてはオイルショックに代表されるように原油高上昇によるネガティブ面が着目されていた。主に物価上昇、家計圧迫、企業収益の低下、投資意欲の低下などが挙げられる。原油相場が上昇しているときは景気回復期待により株価が上昇することもあるが、一方で行き過ぎると景気後退リスクもあるとされている。

今回の下落局面では家計のコスト低下、陸運・空運のコスト低下などが挙げられ一部では業績改善のいいところもみられる。しかし最大のリスクは米国のシェールオイル関連事業だ。多くの中小の石油関連企業がハイイールド債( 利回りが高く信用格付が低い債券のこと )を借り入れて経営しているが、この経営が成り立たなくなると言われている。

キャピタル・エコノミクスによれば、原油価格の下落が米経済に与える打撃はより早く感じられるほか、ガソリン価格の下落によって消費に回される支出による押し上げよりも大きなものとなる可能性がある。人々が在宅や自宅の近くで仕事をするならば、いずれにせよガソリンの消費は多くなく、そのためガソリン価格の減少もたいして助けにならない可能性があるという。

石油産業の雇用数は2019年は約150万人だった。ガソリンスタンドでの雇用が94万5000人。石油やガスの採掘をはじめ、その支援やパイプラインの運営といった分野の雇用が47万1000人。製油所の雇用は6万9000人にのぼる。

これらの石油関連の動きがどう相場にかかわってくるかわからないが、コロナショックにより連鎖的に引き起こされる可能性は低くはないだろう。意識しておく必要があると思われる。

*参考:CNN、現代ビジネス、Yahoo News 等

原油価格の勉強に。

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